
自然栽培とDXの組み合わせで、
次世代農業を創造します。
農業から暮らしの環境を育む
毎年、作付けの度にスクラップビルドを繰り返し、化学肥料を用いて一定の生産量を維持する農業技術(*1慣行栽培)ではなく、一度立てた畝を壊す事なく輪作で作物を植えながら圃場環境を継続して育てる事で一定の生産量を維持する*2自然栽培と、最先端の科学技術で、農村と都市、個人と企業、自然と街をノンストレス繋ぐ「自然と社会の架け橋となる農業」に取り組むと共に、大地のエネルギーが満ちる食物(しょくぶつ)で、人々の健康と豊かな暮らしに貢献したいと考えています。
*1化学肥料や農薬を使う農法。土中の微生物や菌を殺菌して作物に必要な養分を肥料で補う。連作障害対策に農薬を使う。農薬使用量上限の半数以下で減農薬表示ができる。
*2 生産量を増やすための肥料を入ず農薬も使わない農法。自然循環を田畑に再現することで土中微生物活性を促し、作物が健康に育つ環境を作る。有機JA認定を受けると有機農作物表記ができる。*有機JASは認められた肥料と農薬の使用が許可されている。
近年、日本の農業は推定の一途をたどっています。本来農業とは生命活動を営む上で、最も本質的で重要な仕事であり、人類に不可欠な営みにも関わらず、なぜこのような事態に陥ってしまっているのでしょうか。
第一に考えられる理由は、農業が食べ物を得る為ではなく金銭を得るための労働になっている点です。
第二に、その割には所得が低く、大した儲けにならない為、次世代に受け継がれる確率が非常に低く、同時に高齢化による離農が進んでいます。
第三に、農業人口が減ることで、地域コミュニティーは壊滅的な状況にあり、益々人が住めない、子供を育てられない場所になっています。
第四に、農業生産は一部の高収益作物のみに偏り、これらは私たちの暮らしを担う食料というよりは一部の消費者が購入する贅沢品になっています。
また、農地が個人資産になっている為、農業を行わないにも関わらず資産を手放さない「耕作放棄地」が増え、同時に個人資産である山も放置されている為、農地は私達の暮らしを担う為の機能を失いかけているのです。
このような問題点は何十年も前から指摘されていますが、本質的な役割をなおざりにした構造に根本的な問題がある事で、改善が進まない現状があります。何十年もの間、化学肥料と農薬による生産が行われてきた近代日本においては、これらを使わずに安定的に作物を生産する技術は失われている為、これを指導する主たる機関がない事や、農薬や化学肥料、それに伴う農業資材、農業機器で儲けているJAが仕切っているこの国では、これらを使わずに生産量をあげる事は「出来るはずがない」と多くの農業関係者は考えています。このような事情から、自然栽培を促進するバックアップ態勢が非常に弱いことも、問題が改善しない大きな理由となっています。
どんなに理想的なモデルを描いたところで、農業は作物を作れなければ全ては絵に描いた餅でしかありません。弊社では自然栽培で生姜の一定生産量を維持する事は理論的に可能であると考えています。少なくとも95.5パーセントの慣行栽培の作付け面積を70パーセントにする事は十分に可能です。その為には必要な事はただ三つ、農地を解放する事と、自然栽培に従事する新規農業従事者に手厚い補助をする事、そして、自然栽培の農作物そのものに補助金をつける事です。農業従事者だけでなく一般消費者も含めて、自然栽培の農作物を日常的に食べれるようにすることを時代は求めていると思います。
農業が自然環境に及ぼす影響については広く知られているところです。農業が単なる個人がお金を稼ぐ為の労働に成り下がってしまった事で、私達は未来を失いかけています。弊社では、限りなく省エネで持続可能なヒト社会を再構成する為に、農業には一次産業としての重要な役割があると考えています。壊滅しつつある農業を立て直し、誰もが安心して農業に従事できる社会を構築することが弊社の使命であると共に、自然栽培の生姜から皆様の健康と豊かな暮らしに貢献したいと思っています。