近年、農業資材による環境汚染が深刻な社会的問題となっています。例えば肥料による地下水・河川の富栄養化問題やプラスチック問題、また、農薬散布による大気汚染など、その改良と改善は必須の課題です。現状99.5%の農地で化学肥料および化学農薬が使われていて、残り0.5%の有機圃場に至ってはポリエチレンフィルムや有機肥料が使われています。これらについて、自然浄化能力を超えた環境汚染とその歪みが時間と共に明らかになってきています。

 

一方で、ほとんど数値に上がってこない自然栽培による農作物の生産量については、国が定める「農業」を担う能力としては、あまりにほど遠く、自然浄化されて且つ「農業」を担うに値する生産量を獲得する技術革新(資材の選定と開発)が自然栽培及び、環境保全型農業の最大の課題です。

 

日本は高温多湿な土地柄であることから、農薬を使わないで単一作物を育てることが大変難しい環境です。しかしこれを裏返せば、多様な生き物の宝庫でもあります。自然栽培においては、土地の生き物と植物をバランスよく循環させることで、生産消費エネルギーの省力化と最大効果を狙う技術の習得が不可欠です。

 

今、何かと話題に上がる里山問題。山を活用しなくなった私達の暮らしが引き起こしている問題が里山問題です。戦後の復興期に植林した木は、その後の政策変更により木材になることなく山に放置されています。また、プラスチックに取って代わった竹は、山裾から耕作放棄された農地を侵略しています。

 

空の下では、竹を自然栽培の循環に取り入れる実証をスタートしました。設備や労働力等の課題はありますが、ローカルサイドに於ける山と田畑と海の循環から竹を選び取ることで、暮らしと産業が共生する、美しい自然資源経済圏を確立し、持続可能なローカルコミュニティー(農村)が誕生すると考えています。

 

*弊社では、自然栽培の定義について、特定の資材や固定されたマニュアルからなる栽培ではなく、圃場周辺の自然物に備わった能力を活用・循環させる栽培方法を指して自然栽培と定義しています。

 

竹の有効性について