生姜の歴史

生姜と人の歴史は大変古く、紀元前500年にはインドで生薬や保存食として使われていた記述があります。日本には紀元3世紀に中国から入ってきて、魏志倭人伝には龔(きょう)の名前で載っています。奈良時代に栽培が始まり、室町時代にはタイのお刺身に酢漬けの生姜が付け合わせられ、江戸時代には梅酢漬けの紅生姜が漬け合わされていたようです。

ヨーロッパには1世紀頃には伝わっていたようですが、栽培には向かず輸入産物として生薬として使われていたそうです。14世紀に入り、中世ヨーロッパでは生姜は胡椒に匹敵するほど需要が高く、大航海時代には450g(1ポンド)の生姜が羊一頭に相当した大変高価な作物でした。当時ヨーロッパで大流行したペスト、この災難を逃れることが出来たのは、高価な生姜を買える富裕層だったそうです。イギリスの国王は、ペストの予防として生姜を食べるように国民に伝えていたそうです。有名なジンジャークッキーはそれに由来すると言われています。

 

生姜発祥地は未だ特定されていませんが、栽培に向く気候が高温多湿な亜熱帯気候であるため、中国、インド、タイなどの熱帯アジアは発祥の地なのではないかと考えられています。

 

現在、生姜の全国生産量のうち、40パーセント強が高知県で栽培されており、高知県は全国で最も生姜の生産生姜多い県です。高知県は年間降水量が全国で最も多く、日照時間が全国17位で、生姜の栽培地として適していることが理由です。高知県では、一般家庭でも自家製でガリを作り保存食としている家庭も多く、ちらし寿司などの酢飯にも細かく切った生姜を混ぜて使うなど、食用として生姜は多く使用されています。

 

近年、生姜の効能が再注目されており、生姜の持つ機能性への研究が盛んに行われており、新たな有効成分の発見が期待されています。